太陽光発電所の査定額は何で決まるのか

残りのFIT期間に受け取れる売電収入から運転維持費を引き、買い手が求める利回りで割り戻した金額が売却価格になります。つまり同じ出力の発電所でも、売電単価と残り年数が違えば価格は変わります。査定額を動かす6つの条件を、以下で順に説明します。

条件1 売電単価と残りのFIT期間

固定価格買取制度では、連系した年度の単価が20年間そのまま続きます。連系開始が早い発電所ほど単価が高いので、1年あたりの売電収入も大きくなります。ただし連系から年数が経つほど残り期間は短くなるため、受け取れる総額は小さくなっていきます。

この2つの数値を掛け合わせた「残りの売電収入の総額」が、査定の最初の数字になります。

条件2 年間発電量の実績

出力が同じ発電所であっても、日射量・パネルの向き・周囲の影の有無で実際の発電量は変わります。設計上の想定値ではなく、直近1年の売電明細に記載された実績値を使います。

実績が想定を下回っている発電所は、その原因(パネルの汚れ・機器の故障・影)を確認したうえで査定します。

条件3 運転維持費

売電収入からは次の5つの費用が毎年出ていきます。

  1. 保守点検の費用
  2. 損害保険料
  3. 土地の賃借料(借りている場合)
  4. 固定資産税と償却資産税
  5. パワーコンディショナーの交換に備える積立

パワーコンディショナーの寿命は10年から15年とされ、交換には1基あたりまとまった金額がかかります。交換の時期が近い発電所は、その費用を見込んで査定額が下がります。

条件4 土地の権利

土地を所有している場合は、土地と発電設備をまとめて売買します。土地を借りている場合には、賃貸借契約を買い手へ引き継ぐために地主の承諾が要ります。承諾が得られるかどうかで手続きの期間が変わるため、査定の段階で権利の形を確認します。

条件5 設備の状態と保守の記録

パネルとパワーコンディショナーのメーカー・設置年・交換履歴を確認します。定期点検の記録が残っている発電所は、買い手が状態を判断しやすく、価格の交渉が短く済みます。記録が無い場合でも売却はできますが、現地確認に日数を要します。

条件6 出力制御の有無

電力の需給バランスを保つために、電力会社が発電を一時的に止めることがあります。これを出力制御といい、制御を受けた時間の売電収入はなくなります。制御の頻度は地域と接続契約の種類で異なるため、所在地と接続の条件を確認したうえで査定に反映します。

依頼の段階で必要なのは3項目

必ず入力していただくのは、所在地・発電出力・メールアドレスという3項目です。売電単価と連系開始年月は分かる範囲で構いません。上に挙げた残りの条件は、資料の確認と現地の確認を進めながら1つずつ埋めていきます。そのため、手元に細かい数値が揃っていない状態でも依頼できます。